

「建築と不動産のあいだ」~関東学院大学特別講演
横浜の金沢八景にキャンパスのある関東学院大学の建築・環境学部の学生を対象に講演をした。「建築と不動産のあいだ」というテーマをいただき、前の週は株式会社ルーヴィスの福井さんの番だった。彼は、リノベーション業界の叩き上げで、リノベーションど真ん中の話題だったから、僕はちょっと別...


太宰治が暮らした下宿、碧雲荘は残せるか
またしても、手遅れになりそうなことになっている。荻窪駅の北側、杉並の天沼にある小説家の太宰治がかつて暮らしていたアパート「碧雲荘」が、今も現存しているが、隣接地の公務員宿舎の建て替えを進める杉並区によって土地が買収され、新しく建てられる複合施設の一部に飲み込まれる形で、いつ...


歴史的な建物や街並みをとことん愛する~中村彝アトリエ保存の経緯研究
「新宿区下落合」という住所は、山手線目白駅の西側、目白通りと新目白通りの間に広がる住宅街で、坂や階段が随所にあり、周辺よりもちょっとした高台になっている。おとめ山公園に行けば、この辺りの地形の起伏をすぐに実感できる。公園には池があり、せせらぎがあり、都心とは思えない山奥のよ...


不動産管理のこれからを考える~HEAD研究会
不動産管理についてのシンポジウムに参加してきた。主催は、最近何かと話題の「リノベーションスクール」を仕掛けているHEAD研究会だ。ここは複数のTF(タスクフォース=部会)があって、その中の「不動産マネジメントTF」のイベントとして全4回シリーズの第一弾という位置付けだ。 ...


保存か建替えかの考察~寄稿文『旧鎌倉図書館と私』
『旧鎌倉図書館と私 その三』 (発行者:図書館とともだち・鎌倉) 寄稿文 保存か建替えかの客観的考察 私がこの旧鎌倉図書館の解体問題を知り、関わりを始めたのはつい先月のことで、その解体について議会の承認が下りてしまった後になる。それから、見学会などがあって、建物の中...


研究学園都市つくば市の新たなる挑戦
つくば市は、「研究学園都市」として、元々は農地が広がっていたような場所に一から作り上げられた街で、昭和44年に建設が開始され、これまで2兆6千億円もの国費が投入されてきた。人口は22万人で、9年前につくばエクスプレス(TX)が開業してからさらに沿線開発により人口を伸ばしてい...


IKEA(イケア)でDIY精神を学ぶ
スウェーデンが発祥の世界最大の家具販売店であるイケアは、千葉の船橋に国内1号店を最初に出してからもう9年になる。イケアの店舗に行くと、その巨大さもさることながら、やはり価格の安さに驚かされる。しかも北欧のデザイン思想が取り入れられ、ホームセンターに並ぶ安いだけの家具とは一線...


「消滅可能都市」豊島区がリノベーションにかける
東京で初のリノベーションスクールの開催ということで、公開プレゼンテーションを見て、懇親会にも参加してきた。発表のクオリティはとても高かった。どれも実現すると面白いと思わせるものばかりだった。事業収支の数字もわるくない。これで、空き店舗などのオーナーが利益を得ながら、街が生き...


マンション内の遊休スペースをカフェやイベントで有効活用
比較的最近に建てられた分譲マンションは、共用施設が盛りだくさんなことが多い。ホテルのようなエントランスロビーをはじめ、シアタールーム、キッズルーム、ライブラリー、茶室、ゲストルーム等々だ。プールや温泉が備わるマンションもある。私もマンション開発の仕事をしていたことがあるので...


ハウスメーカーが進める建物のブラックボックス化
都心からだいぶん離れた町であるが、この一画だけは田園都市沿線のような街路樹の並ぶ落ち着いた住宅街となっていて、どの家もしっかりとした構えをしている。見ると、ハウスメーカーによって建てられた分譲地であることがすぐわかる。 ...